「いつび」から

東京の下町に工房を構え、ゆるゆると織物を織っています。
制作しているのは概ね「ストール」。
和でも洋でもない、「いつび」らしい作品を求めて、一人で気ままに。
そんな「いつび」の織りと色の世界を楽しんでいただきたいと思います。

2020年7月24日金曜日

シルク糸を経糸に入れたストール

コットンの糸を使ったストールを3本織りあげました。経糸にシルク糸を少し入れて(3分の1くらい?)。シルク糸の効果で光沢があります。
緯糸に、どのような糸を使うかによって、ストールの表情は凄く変化します。どんなトーンに仕上げるか・・・織りの醍醐味です。


整経した経糸。
グリーン系と赤系とブルー系。いつもの感じです。













グリーン系の経糸(グリーン系といっても黄緑ですね)には、白とチャコールグレーの緯糸を合わせました。モノトーンの緯糸を使うことによって、落ち着いたトーンのストールとなりました。


白い緯糸、チャコールグレーの緯糸が、経糸の光沢を抑えてしまいます。



赤系の経糸ですが、こちらも明るさが抑えられて落ち着いた感じに仕上がりました。



緯糸には、ピンクとチャコールグレーの糸を使っています。ピンクの部分に白を使おうかな。。とも考えたのですが、他の2本と違う感じにしたくて、ピンクを使いました。チャコールグレーで抑えられてしまった分、ピンクの部分で多少明るさややさしさが出ています。


3本目のブルー系。
緯糸に白とチャコールグレーの糸を使いました。すっかりトルコブルーの華やかさを隠して、深みをだしてくれています。






軽さを抑えて、渋い青となりました。








3本広げて並べると全体はこんな感じです。白とチャコールグレー、モノトーンの糸は影響力が強いです。

2020年7月11日土曜日

モノトーンその後

モノトーン3種類が織り上がりました。
基本、綿ループの糸を使っての作品です。


 黒、チャコールグレー、ライトグレーを使ったストール









 経糸に、青い糸を隠し味として使っています。」
その結果、視覚的には青いスパイスが効果的に使われた作品。チャコールグレーには、青いスパイスがなかなか良い風合いを醸し出します。






黒とチャコールグレーとライトグレーを使いましたが、経糸に紫の糸を使った結果、結構ストレートに黒が出た作品です。紫は、黒をきれいに見せてくれるようです。






くるくる巻くと、味わいがまた出てきます。








3枚目は、黒は使わず、グレーとブルーの組み合わせで織ってみました。
絽とか紗とかの風合いが出ています。3本の中では一番薄い仕上がりとなりました。


黒は、エネルギーが強いので、ちょっとほっとした一枚です。









3枚並べてみると、こんな感じです。

2020年7月1日水曜日

モノトーンの糸などなど


10日以上、ブログの更新をさぼっていました。さぼって・・というとちょっと違うのですが、色々多忙で・・・(これは言い訳ですね)
織りに関して、何もしていなかったわけではなく、むしろ色々と・・・。
そんな中でも、ふと「モノトーンの糸」を使って、ストールを織ろうかな、と思い立ち、いつものことですが、何故か3本経糸を整経しました。


綿糸です。黒とチャコールグレーとブルーとパープルとシルバーグレー等の糸を使いました。こうやって並べると、違いがあまり分かりませんが、織ればおのずと違いも分かるかと思います。











先ずは、左の整経した糸から。
モノトーンのものは、随分久しぶりですし、そもそも黒系はほとんど織らないことにしています。








 何故かというと、「黒」という色は、発散でなく、吸収する気を持っているから。とにかく重いです。織るのに疲れます。3本すべて織り上がるのには、いつもと違って少し時間がかかりそう。


ということで、やさしい色調の経糸を整経しました。両方ともピンクや白や薄紫が入ったもの。グリーンが入ったのは、頼まれたストール。ブルーを入れたのは、ついでに自分用の夏のストールにします。









こちら、ブルーを入れた自分用のを先に織りました。黒と違って、さくさく織れます。
もう、完成!!





小さいサイズなので、この季節、重宝します。